多裂筋性の腰痛
多裂筋性の腰痛
多裂筋は背骨に沿って存在する筋肉で、体幹の安定性を高め、正しい姿勢を保つ役割があります。この筋肉は「背骨の守護神」とも表現されます。多裂筋を鍛えることで、背中の痛みの軽減や姿勢の改善に繋がります。

多裂筋の場所と特徴
多裂筋は、背中の上部から下部まで背骨の両側に広がり、特に腰仙部で最も太い筋肉です。
位置
・背骨に沿って広がる。
・椎骨の横突起と棘突起の間の溝を埋める。
・背部深層にあり、触りにくい。
構造
・小さな三角形の筋と腱の束。
・2~4個の椎骨を飛び越えて連結。
・環椎以外のすべての椎骨に停止。
・脊柱起立筋の内側深層に位置。
所属
・横突棘筋の一部(半棘筋、多裂筋、回旋筋)。
・腹横筋と胸腰筋膜を介して連結。
・支配神経
・主に脊髄神経の後枝、特に後枝内側枝に支配される。
多裂筋の働き
多裂筋は脊柱の安定化、姿勢維持、脊椎の様々な動きの補助など、重要な役割を担っています。
脊椎の安定化
・脊柱の安定性を担う。
・脊柱の分節的な動きと安定性に寄与。
姿勢の維持
・正しい姿勢を保つ助けとなる。
・姿勢保持筋であり、座ったり立ったりする際に常に負担がかかる。
脊椎の動きの補助
・片側が働くと脊柱を同側に屈曲させ、対側に回旋させる。
・両側が働くと脊柱を伸展させる。
・体幹の回旋や伸展などの作用がある。
・骨盤の前傾を助ける。
多裂筋の衰えと腰痛
多裂筋が衰えると、姿勢が悪くなったり、腰痛の原因になったりする可能性があります。
腰痛との関連
・多くの腰痛患者で多裂筋の萎縮が報告されている。
・多裂筋の機能が低下すると、脊柱起立筋に代償が働き、腰の負担
が増えることがある。
・特に、立っている姿勢が続いたり、前屈み動作やそこからの起き 上がり動作で痛みを感じる場合は、多裂筋が影響している可能性がある。
・背骨の中心部、腰とお尻の境目あたりに痛みを感じることが多い。
・関連痛としてお尻や太もも裏、お腹側にも痛みが出ることがある。
・不良姿勢によって多裂筋に過度なストレスが加わりやすい。
・咳やくしゃみなど日常動作での腰痛にも影響する。
鍼灸治療について
多裂筋への鍼治療は、深部にある筋肉に直接刺激を与え、症状の改善が期待できます。
トリガーポイントへのアプローチ
・痛みのある部位や関連痛の発生源となるトリガーポイントに鍼を打つ。
・深層にある多裂筋にもピンポイントで到達可能。
・組織の自己免疫力を向上させ、修復を促す。
筋緊張の緩和
・筋肉の血液循環を改善し、緊張した筋肉を緩める。
関連部位への施術
・腰だけでなく、お尻や太もも、ふくらはぎなど関連する筋肉にも鍼を打つ場合がある。